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炎立つ大千秋楽

舞台
炎立つ岩手県民会館にて無事に全5ヶ所40公演を終了。
キャストの皆様方が(多分)岩手を後にした今も、この地に留まってまだぼんやりしながらこのブログを書いている。

最終公演、イエヒラの最期「なぜ、生きた」はかすれてとても哀しい叫びとなり、キヨヒラに抱えられた亡骸は薄く眼を開けたまま、左眼からぽろぽろと幾筋もの涙を零していた。迎えにきた母の姿を認めたイエヒラの魂は立ち上がり、涙の跡をそのままに、嬉しそうな、哀しそうな、安堵したような様々な感情をない交ぜにしたような笑みを浮かべ、イエヒラが山の柵に籠城していた時には届かなかった母がそっと差し伸べた手は、その顔を慈しむような、涙を拭うような、辛い思いをさせた息子にもう安心なさいというみたいに眼を閉じさせるような優しい手で天上の楽土に導いた。見栄っ張りで気位が高く、周囲の信を集められる器もなかったどうしようもないイエヒラも、母に愛されたいただの子どもだった。

初日から1ヶ月半掛けて徐々に変わっていった健くんなりのイエヒラ。偉大な先輩たちの元、魂と体力を擦り減らして演じ切った彼に、精いっぱいの拍手を。お疲れ様。


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