ファンレターの話



他人のファンレターの話を聞くのが楽しい。

手紙って自分と出す相手の2者間のごく個人的なものだから、自分以外の人がどうしているのか皆目見当がつかない。こうやって誰かのファンのブログを読んだり、公演の合間にカフェで一生懸命ファンレターを書く友人の様子を見ていると様々な発見がある。

週間はてなブログの記事がどうしてこんなに気になったかと言うと、私もまさに今ファンレターを書こうとしていたからだ。



今年の春、滝沢歌舞伎の公演期間中に一生分くらいのファンレターを書いた。
同じ人に宛てて、1ヶ月の間に10通以上の手紙を書くことなんてこれから先も多分ない。
今までも舞台会場のアンケート用紙に毎回感想をしたためていたが、好きなアイドルだけに向けて便箋と封筒を自分の意思で選び、頭を悩ませて書き、たった一人の宛名を書いて封をして出すという一連の行為は、渡されたアンケート用紙に書いて出すのとは違う、ボックスに入れる時に少しピリッと緊張するような心持ちになった。

怪我をしたこともあり健くんにとっても今回は特別だったのか、千秋楽が終わった後、怪我をした足元の周りいっぱいに敷き詰められたファンレターの写真が初めてブログに載せられた。
その写真を見た時「本当に届いてるんだ…!?」とすごく驚いた。別に手元に届く前に捨てられてるとか思っていた訳ではないが、かといって現実に本人の手元に届いている実感もなかった。
昔はアンケートを読んでいると公言していたし、最近は自ら言わなくてもコンサートツアーのための移動の新幹線の中で、健はファンレターを読んでいると他のメンバーが言うこともあったから、わりとファンからの声を聞くのが好きなタイプではあると思う。
でも、それでも自分の書いたものが何万人もファンがいるような人の手元に届くなんて、そんなことがあり得るんだ?と送ったくせに信じられなかった。



滝沢歌舞伎が終わった後に届いたファンクラブ会報のインタビューで、健くんが「人から言われていちばん嬉しい言葉は?」という問いに「作品の感想を手紙で貰うこと」と答えていたのも印象的だった。
求められるものに応えたあと、相手に伝わっていたんだなと思える」と言葉を繋いだ健くんを見て、相手に伝えたいと思う気持ち、伝わっているだろうかと心配になる気持ちはアイドルもファンも同じであるということに私は初めて気付いた。

別にこのインタビューで健くんは「ファンから」と断定した訳ではない。スタッフかもしれないし、大切な友人かもしれないし、They武道の林翔太くん*1のように共演者からの心のこもった手紙のことを指すのかもしれない。でも、ファンクラブの会報に書く以上、相手の中にいちファンも含まれていたっていいだろう。少なくとも私はそう解釈することにした。タイミング的に、滝沢歌舞伎でたくさんの手紙が集まったのが余程嬉しかったのかもしれない。かわいい。

とにかく自分が世界でいちばん大好きなアイドルが「作品の感想を手紙で貰うのがいちばんうれしい」と言うのなら、手紙を書こうと思った。「ちゃんと伝わっているよ」ともっとダイレクトに反応を返そうと思った。
正直読んでくれなくたっていい、読んだとしてもポイッと捨ててくれて構わない。健くんが相手に伝えようとするように、自分が相手に伝えようとする気持ちの分だけ、手紙を書くために机の前に座ってどう相手に伝えようか頭を悩ませる時間の分だけ、好きな気持ちが膨らむ気がした。

だから、今日は『みんなで応援!リオパラリンピック』の最終日に「障害のあるなしで境界線の引かれることのない社会を作って行きたい」と真っ直ぐ前を向いて話した健くんを見て思ったこと、考えたことを手紙に書いた。これから先も、続けていきたい。



*1:滝沢歌舞伎の初日と千秋楽に滝沢座長と健くんに手紙を渡していた。大先輩であっても、身近な仕事仲間の人に手紙を渡せる林くんの心に感心した。私なら気恥ずかしくて絶対に出来ない。それを出来る人と出来ない人の差はものすごく大きいと思う。

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